アルゼンチンのデフォルト危機は大統領選が原因
アルゼンチン、デフォルト寸前ですね
デフォルトとは
債券の利払い、償還が不可能となること。債務不履行。社債などでは企業倒産が直接的な要因となるが、発展途上国などでは金融情勢の変化などでデフォルトが起こることがある。
8月28日、アルゼンチン政府は債務の返済期限延長計画を示した事で、デフォルトの可能性が露見しました。
現時点で、デフォルト(債務不履行)に陥った訳ではないですが、可能性は高まっています。
また、S&Pグローバル・レーティングスはアルゼンチン国債の格付けをデフォルトレベルまで引き下げています。
S&Pは29日、アルゼンチンの短期国債の格付けを「シングルB」からデフォルト(債務不履行)を意味する「D」に格下げし、外貨建て債務も一部に不履行があることを意味する「SD(選択的デフォルト)」に変更した。
出典:S&P、アルゼンチン債務を一時「デフォルト」扱い: 日本経済新聞
日本も国債残高を年々増やしているので、デフォルトが起こるとどうなるのか気になるところです。
今回、アルゼンチンがデフォルト危機となった背景について説明します。
原因は大統領選挙
アルゼンチンでは大統領選挙を控えており、大衆迎合策を掲げる左派のフェルナンデス元大統領が優勢となっています。
そして、信用不安により株価、債券相場、通貨ペソが急落しています。
8月11日の大統領選予備選以降に事態は悪化した。予備選で現職のマクリ氏がフェルナンデス元首相に大差で敗れたことで、介入主義的政策が復活するとの懸念が市場を揺るがした。投資家の信頼感は失われ、株価、債券相場、通貨ペソが急落。予備選以降、ペソの対ドル相場は25%近く下落した。
出典:アルゼンチンで銀行に行列、外貨取引規制受け預金引き出し相次ぐ | ロイター
ペソ安を防ぐために外貨準備高が減少
この急激なペソ安を防ぐために、アルゼンチン中央銀行はドル売り・ペソ買いの市場介入を繰り返していました。
この市場介入により外貨準備高が減少したため、ドル建て国債の償還が困難になったのだと思われます。
また、ペソ安となるとドル建て国債の支払い額も急増します。
外貨建ての国債を発行する事は、為替変動によるリスクが大きくなると理解した方が良いですね。
日本の場合、日本国債は全て円建てのためこうしたリスクは背負っていません。
預金引き出し規制はされたか?
デフォルト危機となった時、我々が気すべきは預金封鎖が起こるかどうかです。
デフォルト危機に陥った時、国債の支払いに充てる為に、預金封鎖を行う事があります。
アルゼンチン政府が資本規制を導入し、ドルの購入や送金を月1万ドル以内に制限したためだ。中央銀行によると、預金引き出しは制限されていないという。
出典:アルゼンチンで銀行に行列、外貨取引規制受け預金引き出し相次ぐ | Article [AMP] | Reuters
現時点では、ドルの購入と送金のみ金額制限が設定されているようです。
まとめ
- デフォルト危機の原因は大統領選
- 信用不安で株価、債券相場、通貨ペソが急落
- ペソ安により外貨準備高が減少している
- 預金引き出し規制はドルの購入と送金のみ
アルゼンチンと通貨危機2018?2019: 2018年4月から2019年8月までを報道を基に振り返る 新興国への投資
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