大学とは勉強する場所なのか
大学って勉強する場所だったかなぁ?
こんな違和感を覚えたことがあった。
ワイドショーか何かのニュースを見た時だったと思う。
今どきの大学生は講義にほとんど出席していて真面目だという。
就職活動でも大学時代は勉強を頑張っていたとアピールしている、といった内容だったと思う。
その時思った疑問が、「大学って勉強する場所だったかなぁ?」だ。
学生の本文は勉強という言葉もあるし、学生は勉強するもの、そう考える人は多いのかもしれない。
ただ、実際に4年間大学に通い、2年間大学院で過ごした身としてはNoだ。
いずれ忘れてしまうかもしれないので、文章の形で書き残しておこうと思う。
確かに勉強はしている。しているが、大学の目的は勉強ではない。
勉強とは知識を手に入れることだ。
1. 学問や技芸などを学ぶこと。「徹夜で勉強する」「音楽を勉強する」
2. 物事に精を出すこと。努力すること。「何時までもこんな事に―するでもなし」〈福沢・福翁自伝〉
3. 経験を積むこと。「今度の仕事はいい勉強になった」
4. 商人が商品を値引きして安く売ること。「思い切って勉強しておきます」
「大学では知識を手に入れました」こう言われたら、どう思うだろう?
知識を手に入れるなら小学校でもできる。図書館に行けばできる。
僕なら、「その知識は本当に正しいの? なぜ正しいと判断したの?」とちょっと意地悪な質問をすると思う。
そして、この質問へ答えることこそが、大学で一番習得したい技術だと思う。
これは正しいのだろうか? どうしたら正しいと判断することができるのだろう?
この検証する技術は日常生活では、なかなか身に着けることはできない。
しかし、物事の本質を理解するためにはこの考え方ができないと困ってしまう。
そして、この技術は研究を通して習得することができる。
大学とは研究を通じて人を育成する場なのだ。
勉強はあくまで研究の土台作り
もちろん大学でも勉強をする機会は多い。
大体、1~3年の間は講義を受けなくてはいけないし、勉強する機会も多い。
大学は研究する場なのに、どうして勉強をするのか。
それは研究の一連の流れを見てもらうと分かる。
研究は大きく4つの作業に分かれる。
まず既存研究の調査だ。
これから自分がやる研究が先行調査されていないか確認する。他の人がすでに研究したことを繰り返すのは愚かだ。
その後、研究テーマの選定⇒検証⇒アウトプットの順に進む。
これが一連の流れなのだが、高校出たての学生にいきなり、既存研究の調査ができるか怪しい。
基礎的な知識が無ければ、この論文は何を言いたいのか理解するのは困難だ。
十分な研究をしてきた人でも専門外の分野では研究の狙いを理解するのは難しい。
その分野のバックグラウンドを知らないと、なぜそのテーマを選んで研究しているか理解ができない。
だから、最初は勉強をしてバックグラウンドの知識を付けていく。
大学の最初の3年間で勉強ばかりするのはこれが理由だ。
研究の下準備なのだから、勉強しても役立たないのは当たり前なのも付け加えておく。
もし、大学の早い段階で技術を身に着けたいのであれば、自分の興味のあるテーマを選定して研究を始めてしまうのが良い。
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少なくとも研究をしているとPDCAサイクルを回す習慣ができるので、就職活動のネタとしては有効になるはず。
研究の本質を知りたい人へ
ビジネス書ではあるけれど、研究の本質は「イシューからはじめよ」を読むとよく分かります。
著者はコンサル⇒研究機関⇒コンサルの経歴で、効率的にテーマを解明する手法を公開しています。
この本、大学生に読ませた方が良いと思うんだけどな。難しすぎるかな。