税金が計算しにくいのは3回も控除があるため
税金がいくらかかるのかって、事前に計算するのは難しいですよね。
税金がいくらかかるのか、逆にいくら還付されるのか、計算で算出するのは大変です。
仕方なく、確定申告書作成コーナーで記入していくらなのかと計算したりします。
でもこれって、このコーナーが間違っていたとしても黙って税金を払う事になります。
それに、税金の計算方法を熟知しなければ、節税効果を把握するのにも一苦労です。
税額計算するに当たって分かりにくいのは、算出までに3回もの計算および控除がある事が大きいと思います。
一度、税金の算出フローを学んでみてはいかがでしょう。
税金の算出フローは複雑
税金の計算は大きく次の3ステップで行われます。
- 収入→所得
- 所得→課税所得
- 課税所得→税額
このように収入が変化しても、それが即座に税額に反映される訳ではありません。
収入と費用から所得を求め、各種控除を引いて課税所得に変え、ようやく税額が求まるのです。
確定申告書を見てみよう
出典:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/01/shinkokusho/pdf/h29/shinkokusyo_b.pdf
画像は確定申告する人にはお馴染みの確定申告書Bです。
この確定申告と先ほど記載した3つのステップを照らし合わせていきます。
見出しのかっこ内に、確定申告書の項目名を書いています。
さて、各ステップではどのような計算と控除が行われるのでしょうか。
①収入→所得(所得金額欄)
初めに、税金の計算においては、収入(所得)は下記の10種類に分類されます。
- 利子所得
- 配当所得
- 不動産所得
- 事業所得
- 給与所得
- 退職所得
- 山林所得
- 譲渡所得
- 一時所得
- 雑所得
各収入から経費を控除する事により所得を算出します。
この控除は収入(所得)により、算出が異なります。
また、収入(所得)によって、分離or総合課税、累進or定率課税かも異なります。
分離課税の項目については第三表に記載します。
②所得→課税所得(所得から差し引かれる金額欄)
次に各所得を合算した後、各種控除を差し引く事で課税所得を算出します。
この各種控除には以下のように様々な種類のものがあります。
各種控除の具体例
- 基礎控除
- 配偶者控除
- 扶養控除
- 社会保険料控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 医療費控除
- セルフメディケーション税制
- 寄附金控除
③課税所得→税額(税金の計算欄)
最後に、課税所得に税率を掛ける事で税額を算出します。
この税率を掛けた後から差し引く控除も、少数ですがあります。
控除の具体例
- 配当控除
- 住宅借入金等特別控除
まとめ
税額の算出までは3ステップが必要なため、収入がいくら増えたら税額がいくら増える、といった計算は難しいです。
ただ、エクセルを用いればシミュレーションする事も十分可能なため、算出フローを理解する価値は十分あります。
参考文献
今回の記事では、下記の本を参考にしています。
文庫本で安いので、一度読んでみてはいかがでしょう。